SPIN話法を学んだのに商談がうまくいかない理由
営業の世界でバイブルのように語られるSPIN話法。状況質問から始めて問題、示唆、解決へと進むフレームワークです。多くの経営者が部下のスキルアップのために研修を受けさせていますが、現場では「お客様の課題を深掘りしようとすればするほど、相手が引いていく」という悲鳴が絶えません。
この記事では、SPINという強力な武器を手にしたのになぜかうまく使いこなせない営業担当者と、その指導に悩む経営者のために、お客様が心を開いてくれる一段上の対話術をお伝えします。
「SPIN尋問」の恐怖とその原因
型通りの質問攻め
「現在の状況は?」「問題は?」「影響は?」と機械的に質問を重ねる
お客様の心理的障壁
会って間もない相手に自社の問題を赤裸々に語ることへの躊躇や警戒心
浅い答えしか得られない
当たり障りのない回答から弱い示唆しか生まれず、迫力のない提案に終わる
SPINを「質問だけを順番に繰り出すテクニック」だと勘違いしていることが致命的な欠陥です。お客様の心理的障壁を無視して型通りに質問を重ねても、売上も受注も伸びるはずがありません。
価値訴求キャッチボールの4つの価値
お客様に「この人に話すと得をする」と感じてもらうことが重要です。質問というボールを投げたら、必ず「価値」というボールを投げ返しましょう。
①労務提供
「とにかく大変…」という悲鳴には、「そのデータ整理、私がお手伝いしましょうか?」と具体的な支援を提案
②共感
「誰も分かってくれない…」という孤独には、「お気持ち痛いほど分かります。素晴らしい視点です」と深い理解を示す
③情報提供
「どうすれば…」という迷いには、「同じ課題のA社がこんな方法で改善した事例があります」と専門知識を共有
④提言+α
「もっと上へ…」という渇望には、「問題の本質は別の視点にあるかもしれません」と高い視座からの気づきを提供
今すぐ始めるアクションプラン
価値訴求キャッチボールを実践するために、まず最初に取り組むべきことがあります。
01
価値のボールを整理する
4つの分類(労務提供、共感、情報提供、提言)に沿って、自社が提供できる具体的な価値を最低2つずつ書き出す
02
事例やノウハウを蓄積する
他社の成功事例や業界の最新情報を収集し、お客様に提供できる情報の引き出しを増やす
03
実践とブラッシュアップ
商談で実際に価値提供を行い、お客様の反応を見ながら改善を重ねる
この「価値の棚卸し」こそが、あなたの営業を「尋問者」から「価値提供者」へと変える魔法の準備運動となります。今すぐこの投稿をシェアして、チーム全体で実践してみてください!